診療内容･特長

　耳鼻咽喉科は常勤医師1人ですが、ほぼ毎日２名の医師で外来診療、手術治療を行っています。
また、多くの救急疾患にも対応しています。代表的な耳鼻科救急疾患には扁桃炎やそれをこじらせた扁桃周囲膿瘍、上気道閉塞を来して命に関わることもある急性喉頭蓋炎、鼻出血、内耳性めまい（回転性めまい）、突発性難聴、顔面神経麻痺などがあります。内科的治療、外科的治療を組み合わせて患者さんが少しでも早く元気になっていただけるように努めています。

　外来診療は迅速な診断を行い早期治療につながるように心がけています。
　当科は地域医療を三重大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科や地域の耳鼻咽喉科、内科の診療所の先生方と連携して担っています。頭頸部腫瘍等、専門性の高い手術、放射線治療や抗癌薬を組み合わせた治療を要する場合は三重大学病院等の専門施設へ紹介しております。また、当科での治療後に状態が落ち着いた患者さんの経過観察は地域の先生方にお願いしています。

【対応可能な疾患、手術内容】

【鼻】（西田）
鼻の穴から内視鏡を用いて手術を行います。ナビゲーションシステムを用いて、手術中にCT画像と内視鏡モニター上の手術操作部位を対比させ、安全確実な手術を行うように心がけています。
★内視鏡下副鼻腔手術（好酸球性副鼻腔炎、副鼻腔真菌症、術後性頬部のう胞など）
★鼻中隔矯正術（鼻中隔弯曲症）

【のど】（西田）
★口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術（睡眠時無呼吸症候群、習慣性扁桃炎、IgA腎症など）。概ね5歳以上の子供さんから対応可能です。
★喉頭微細手術（浮腫性声帯炎、声帯ポリープ、声帯白斑症など）
　顕微鏡下に病変を摘出します。

【耳】（伊藤）
顕微鏡下に病変（真珠腫）の除去、鼓膜穿孔の閉鎖、鼓膜換気チューブの留置などを行います。
★鼓室形成術（真珠腫性中耳炎、慢性穿孔性中耳炎）
★鼓膜換気チューブ留置術（滲出性中耳炎）

【頸部】（西田）
耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍、甲状腺腫瘍、頸部嚢胞性病変など
※必要に応じて手術中に神経刺激装置（NIMモニター）を使用して、神経の保護を心がけています。

【外来診療について】

一般的な耳鼻科外来診療に加えて、より専門的な検査や治療を行っています。
●頸部エコー検査（西田）：これまで15年以上にわたり、エコー検査を実施しています。
　エコーで腫瘍性病変を認め手術を含めた治療を要する可能性がある場合には、基本的に受診当日にエコーガイド下穿刺吸引細胞診を行っています。
　エコーで、血管の走行や腫瘍内部の血流の多寡を評価した上で、25Gあるいは23Gの細い針を用いて穿刺を行うため、多くの場合で抗血小板薬、抗凝固薬を中止することなく安全に検査を行うことが可能です。また、病理部の専門スタッフの協力の下、採取した検体が質・量ともに診断に十分であるかを判断し、できるだけ少ない受診回数で診断を付けられるように努めています。
●めまい検査（伊藤）：
赤外線カメラを使用して暗視野下に各種眼振検査を行っています。
内耳性めまいに対して、リハビリ指導を行っています。
良性発作性頭位性めまい症に対して浮遊耳石置換療法を行っています。
●中耳外来（伊藤）：
中耳炎の手術前検査および手術後の処置
小児滲出性中耳炎の精査および治療
●アレルギー外来（伊藤）：
鼻アレルギーの抗原検査や減感作療法
病院がある津・久居地区の年間のスギ、ヒノキなどの樹木やイネ科などの雑草の花粉飛散量を観測し、予防のための生活指導を行っています。
●嗅覚・味覚外来（西田）：
詳細な評価を行い、的確な診断、治療につなげるように心がけています。
嗅覚障害：基準嗅力検査、静脈性嗅覚検査（アリナミンテスト）、血液生化学検査
味覚障害では　ろ紙ディスク法味覚検査、電気味覚検査、血液生化学検査　を行っています。
（※コロナウィルス感染が終息するまでは3密に該当する検査は控えております。）