患者さんへの「思いやり」を胸に
私たちは、患者さんへの「思いやり」を胸に、最新の検査技術を駆使し、「迅速」そして「正確」な臨床検査データを提供できるように努めています。
臨床検査科のページをご覧になって頂き、少しでも患者さんと臨床検査科が身近になれれば幸いです。
検体検査のご案内 | 微生物検査のご紹介 |
採血される患者さんへ | 病理検査のご紹介 |
生理機能検査のご案内 | 臨床検査技師とは? |
認定資格検査技師って? |
病理専門医(細胞診指導医)1名と25名の臨床検査技師で構成されています。
検査科では夜間、休日診療を支援するため24時間対応の緊急検査を行っています。
検体検査のご案内
血液、尿、などの採取した検体で、100項目数を超える多くの情報を測定し、診断補助に役立てています。これにより、疾患の原因、病状を明らかにすることを目的としています。また、迅速性、正確性の向上に努めています。
採血される患者さんへ
採血後のご注意
採血後は、腕を曲げず5分間おさえてください。止血を怠ると内出血の原因となります。
採血でよくあるご質問
青あざが出来てしまった! ▶1~2週間で消失しますのでご安心ください。
採血管の本数の違いは?
▶採血管の内面には様々な薬品が塗布されています。目的の検査によって採血管を選択し、血液材料を適切に採取する必要があるため、採血管は患者さんごとに本数が異なります。
採血前の食事は?
▶摂食により、検査データに影響を与えることがあります。例えば、中性脂肪、糖、コレステロールなどは高い値になります。
その他ご質問がございましたらお気軽に担当者にご相談ください。
【生化学検査】
大型の自動分析機器により検査時間の短縮を可能にし、肝臓機能、腎臓機能、膵臓機能などを検査します。
【免疫血清検査】
感染症(ウイルス性肝炎等)、ホルモン、腫瘍マーカー、薬物濃度の検査を行います。
【血液検査】
血球数測定、血球形態の観察により貧血や血液疾患などの病状を把握します。
【一般検査】
尿中のタンパク質、糖の濃度などの成分分析を行っています。また、糞便、穿刺液(髄液、胸腹水等)、鼻汁などの検査も実施しています。
【輸血検査】
輸血に必要な血液型等の検査を実施し、輸血がより安全で適正に実施できるよう管理しています。
検査以外にも赤血球液、濃厚血小板、新鮮凍結血漿や血漿分画製剤等の『特別生物由来製剤』
(人血液由来製剤)及び患者さん自身の輸血用血液(自己血)の保管管理をし、治療に必要な製剤
の準備を行っています。
微生物検査のご紹介
近年、感染症病原体の多様化が叫ばれ、当院、微生物検査室では、それらの推移に対応すべく、
細菌・真菌・抗酸菌・ウィルス・クラミジア・原虫などに目標を絞り、迅速かつ正確な検査を目指し、 日常業務を遂行しています。
感染症迅速診断検査(30分以内で報告できる微生物検査)
検査項目 | 検査の目的 |
インフルエンザウイルス A型、B型 |
冬~春季のインフルエンザ迅速診断 |
RSウイルス | 冬季の乳幼児呼吸器感染症の迅速診断 |
アデノウイルス | 夏季の小児呼吸器系感染症の迅速診断 |
ロタウィルス | 冬季の小児下痢症の鑑別診断 |
アデノウィルス |
冬季の小児下痢症の鑑別診断 |
ノロウィルス | 感染性下痢症の鑑別診断 |
A群β-溶血性連鎖球菌 | 咽頭炎、しょう紅熱、劇症型溶血性連鎖球菌感染症(TSLS)等の迅速診断 |
ディフィシル菌のトキシンA&B | 抗菌薬服用中、ディフィシル菌増殖時における産生毒素の鑑別診断 |
尿の肺炎球菌抗原 | 肺炎球菌の免疫学的迅速診断 |
尿のレジオネラ菌抗原 | レジオネラ菌の免疫学的迅速診断 |
第1エリア:感染症病原体の分離培養、菌種同定、薬剤感受性検査領域
このエリアでは、患者さんの全ての検査材料を、塗抹鏡検 ➠ ➠ ➠
人工培地で培養 ➠ 菌種名決定(同定と 呼びます)➠ 抗菌薬感受性検査(有効な 抗菌薬を探す) ➠ 最終結果報告 全ての結果報告は、約3日間必要です。
第2エリア:抗酸菌(結核菌・非結核性抗酸菌)培養、薬剤感受性検査領域
このエリアでは、主に患者さんの喀痰から抗酸菌を分離培養し、抗結核薬に
対する感受性を調べます。
培養は、MGIT液体培地を使用する ため、結核菌では、約2週間、 非結核性抗酸菌は、約1週間で陽性となります。 最終培養報告(陰性)は、6週後です。
第3エリア:遺伝子検査(抗酸菌、クラミジア)領域
このエリアは、病原体からDNAを抽出し、増幅器によりDNAを100万倍に 増幅することで、DNAを検出できる 量(感度)まで引き上げることで、 計測できることを原理としています。 この検査の最大の特徴は、検査材料提出 直後に、結核菌群・MAC或いは、クラ ミジアが菌名として同定できることです。
感染管理のサポ-ト
当院は、感染対策に関わる、感染制御チ-ムが活動しており、微生物検査室
からも、メンバ-を派遣しています。そのため、感染対策に必要な、
感染対策情報を積極的に提供しています。例えば、血流感染(BSI)では、
血液培養或いは、CVカテ-テル培養が陽性になった時点で、直ちに、
グラム染色結果と推定菌名を主治医および、ICTへ報告することにより、
迅速な対応に努め、患者さんへ介入やコンサルテ-ションに活用されています。
病理検査は採取した組織、細胞を適切に処理して顕微鏡で観察し、病理専門医により病変の病理学的診断を行います。
組織診断
病変部の臓器・組織を採取し、病理診断をつけます。とりわけ腫瘍の診断には欠かせない検査です。
乳がん | 胃がん | ピロリ菌に侵された胃粘膜 |
細胞診断
細胞採取は患者さんへの苦痛が少なくてすみます。そのため、反復検査が容易に実施でき、病変の早期発見に非常に役立つ検査のひとつです。主にがん細胞の有無、感染症(性感染症、呼吸器感染など)の程度を調べます。感染症とは具体的にHPV、クラミジア、トリコモナス、真菌などです。
肺癌の細胞 | 肺癌の細胞 | 正常子宮頸部の細胞 | HPV感染細胞 |
術中凍結組織診断
手術の方向性を決定するために、手術中に病変部の一部を採取し迅速に標本を作製し、病理専門医が顕微鏡で観察し執刀医に報告します。
病理解剖
疾病の原因、本態、診断や治療効果を究明し医療の進歩に役立てます。
生理機能検査のご案内
1.心電図
1)安静時心電図 検査所要時間:2~5分程度
不整脈や虚血性心疾患など、心臓の状態をみる基本的な検査です。
ベッドに仰向けになり、安静の状態で両手両足及び胸部に電極を取り付けます。心臓がポンプの役割として動く際に発生する微小な電気を波形として記録します。
2)運動負荷心電図 検査所要時間:10~30分程度
運動をして心臓に負荷をかけ、安静時との状態の変化を調べる検査です。
*マスター2階段負荷試験*
一定の時間(1分30秒~4分30秒)階段昇降を行っていただき、心電図の変化を観察します。
*トレッドミル運動負荷試験*
目標とする心拍数に達するまで動くベルトの上を歩いていただき、心電図の変化と血圧の状態を観察します。
3)ホルター心電図 装着時間:10~15分程度、翌日(約24時間後)取り外し
携帯型の心電図記録装置を装着して24時間連続で心電図を記録し、動悸の原因や失神、めまい、息切れ、胸痛、除脈、治療効果の判定などの評価を行う検査です。
普通の心電図検査では見つかりにくい発作性の不整脈、狭心症などの発見に役立ちます。
■ 検査中の入浴やシャワーはお控え下さい。
■ 電気毛布の使用はお控えください。
■ 「行動記録メモ」に、就寝・起床時間、症状等のご記入をお願いします。
■ 装着した機械は翌日(約24時間後)、生理検査室にて取り外します。
翌日が休診日(土・日・祝祭日)の場合は所定の場所へ返却していただきます。
【返却場所】
平日8:30 ~ 17:15 は生理検査 ⑯番 受付へ。
夜間・休日は、救急外来窓口への返却をお願いします
2.肺機能検査
肺機能の状態をみる基本的な検査です。肺の大きさや弾力性、肺疾患の診断や手術時の麻酔をかける場合の術前検査として行われます。
一般肺機能検査として、肺の容積(肺活量)や息を強くスムーズに吹けるかどうかを検査します。
検査所要時間:約5分
精密肺機能検査として、一般検査より更に詳しく調べる検査
(肺からどのくらい酸素がうまく取り込まれているか・・など)があり、呼吸器の病気(ぜんそく、肺気腫、肺線維症、気管支炎)の種類が推測できます。
検査所要時間:約40分
検査法は、専用クリップで鼻を摘んだ状態で口呼吸をしていただきます。
この検査を正確に行うためには、患者さん自身の“ご協力と頑張り”がとても必要となります。担当技師が適切に対応いたしますので、一緒に頑張りましょう。
3.ABI 検査 検査所要時間:5~10分程度
ABI とは“足関節上腕血圧比”の略です。両手・両足の血圧の比を表します。
この検査で血管(動脈)の硬化と狭窄の状態(詰まりの程度)を調べます。
動脈硬化はあまり自覚症状がありません。しかし放置すると、狭心症・心筋梗塞・脳出血・脳梗塞など命にかかわる疾患の原因となります。
4.超音波検査(エコー検査) 検査所要時間:15~30分程度
超音波とは・・・
人間の耳で聞くことができない周波数の高い音のことです。
超音波は生体内を通過することができ、性状の異なる組織の境界面で反射します。この性質を利用してさまざまな臓器の形態、血流から機能及び疾患を評価します。
検査部位として、心臓、腹部(消化管)、血管、乳腺、体表 などが行われています。
●超音波の伝わりを良くするために、体表面にゼリーを塗ります。
●超音波検査は超音波の反射波を画像にします。
●身体への影響のない安全な検査です。
● 腹部領域の検査を受けられる方は朝食(検査が午後の場合は昼食)を控えてください。食事の影響により、“検査不良”となる場合があります。
● 検査を受ける場所が露出しやすい服装で来院ください。
5.脳波検査 検査所要時間:45~60分程度
脳波検査は、脳の活動状態を頭皮上から記録する検査です。
覚醒時・睡眠時・開眼時などその状態に応じた脳波が記録され、脳波の変化、波形の乱れを観察し、診断・治療に役立てます。
検査の際、目の開閉や深呼吸など簡単な協力をお願いしますが、痛みを伴うことはありませんので、気持ちを楽にして検査を受けてください。
頭部には電極用のクリームを付けさせて頂きます。検査後、洗面台で髪を洗っていただけます。
シャンプー、タオル、ドライヤーは検査室で準備してあるものをお使いいただけます。
6.神経伝導検査 検査所要時間:20~60分程度
運動神経・感覚神経の刺激が神経の中を伝わる速度を調べます。
手や足に力が入らない場合や、痺れなどがある場合に原因を調べるために行う検査です。
検査時に軽い刺激痛を感じますが、神経の状態を調べる重要な検査です。
ご理解、ご協力をお願いします。
7.大脳誘発電位(ABR、SEP、VEP) 検査所要時間:20~40分程度
聴性脳幹反応(ABR)
ヘッドホンから音を聞いていただき、聴覚の神経系の電気信号を頭皮上から記録します。
体性感覚誘発電位(SEP)
電気の刺激を神経に与え、知覚の神経系の電気信号を頭皮上から記録します。
視覚誘発電位(VEP)
視覚の神経系の電気信号を頭皮上から記録します。
8.睡眠時無呼吸検査(睡眠ポリグラフ検査)
睡眠時無呼吸症候群の確定診断に必須の検査です。放置しておくと、高血圧、虚血性心疾患、脳血管障害などの循環器(動脈硬化性)疾患を高率に引き起こすことが知られています。
夜はよく寝ているのに昼間眠い、だるい、睡眠中息苦しい,大きないびきをかくなどの症状のある方が対象となります。
夕刻、睡眠時無呼吸モニターを装着します。頭皮に脳波用電極、胸と腹に呼吸センサーのバンドを巻き、指先に血液酸素飽和度測定器を装着します。就寝前、鼻に呼吸センサーのチューブをつけ、この状態で睡眠中の呼吸状態や脳波を記録します。翌朝起床した時間で検査終了となります。睡眠中の無呼吸低呼吸指数(1時間あたりの無呼吸数及び低呼吸数)を解析して睡眠時無呼吸の評価をします。
※当院では入院して実施する検査となります。
臨床検査技師とは?
病態の診断、治療効果、予後の判定や早期発見、病気の予防に対するさまざまな検査データを、臨床側へ正確に提供する仕事です。
臨床検査技師になるには
大学、短大、専門学校の臨床検査技術学を専攻したのち、厚生労働省の制定する国家試験に合格することです。
当院の臨床検査技師の業務
●血液、尿、病理組織検査などの検体検査
●心電図・脳波・超音波検査・呼吸機能検査などの生理機能検査
●採血
●輸血製剤の管理
当院は検体検査、生理検査、微生物検査、病理検査の4部門に分かれています。
その他の業務
●附属看護学校への講師
認定資格検査技師って?
各種学会の資格認定試験に合格して与えられる資格です。
当院の各種学会及び国家資格、法定資格等有資格者
※細胞検査士(国際) | 2名 |
※超音波検査士(消化器領域) | 4名 |
※超音波検査士(循環器領域) | 4名 |
※超音波検査士(表在領域) | 3名 |
※診療血管技師 | 1名 |
※認定臨床微生物検査技師 | 1名 |
※感染制御認定臨床微生物検査技師 | 1名 |
※緊急臨床検査士 | 2名 |
認定輸血検査技師 | 1名 |
特定化学物質等作業主任者 | 2名 |
有機溶剤作業主任者 | 2名 |
※は各種学会の資格認定試験(複数取得者を含む)