当院では特定分野において高度・専門的知識と技術、実践力を持つ専門看護師・認定看護師等が、より一層の看護の質の向上を目指して活動しています。育成にも力を入れています。
新生児集中ケア認定看護師は、たくさんの可能性を秘めた新生児の生命と成長発達を助けるケアを提供しています。そして、突然の出来事に不安を抱いているご両親には、早期に親子・家族関係を築けるように寄り添い、安心してこどもの退院を迎えることができるようにお手伝いしています。新生児は言葉では思いを伝えることが出来ませんが、その言葉にならない言葉に耳を傾け、サインを見逃さず、ひとりひとりに向かい合い、新生児とご家族の擁護者として、よりよいケアとは何かを考え実践し評価を行っています。
感染管理認定看護師
感染管理は、医療関連感染(病院感染)を低減するために組織横断的かつ継続的な改善活動を行うことを目的としています。当センターでは、ICT(感染制御チーム)や各病棟のリンクナースを中心とした院内感染対策組織があり、感染症の発生ならびに蔓延防止に向けて取り組んでいます。施設内で診療を受ける患者さんやご家族、および医療従事者など施設に関連するすべての人々を感染の危険から守るために努力をしています。
がんと診断を受けた患者さんは、身体のつらさ、こころのつらさ、治療のつらさ、生活する中でのつらさなど、多種多様なつらさを経験されます。そのつらさを少しでも和らげる方法を一緒に考え、その人らしさを大切に生活ができるよう支援することを心がけています。
普段は、そのつらさを和らげるために、主治医・病棟看護師、また緩和ケアチームの多職種の医療スタッフと連携をして、患者さんが快適な療養生活を送れるようにサポートさせていただきます。また、がん相談支援室の看護師として、患者さん・ご家族からの相談にも直接対応し、入院中に限らずご自宅での生活も支援をさせていただいております。多くの患者さんが退院後に入院中には感じなかった疑問や不安、普段の生活での困った点が見えてきます。そういった時に看護師の視点からがんを持ちながら出来る限り普通の生活とその方の〝自分らしさ〟を大切に、問題点を解決できるよう相談対応をしております。
糖尿病看護認定看護師
日本の2021年における糖尿病人口は1,100万人と推定されており、世界第9位の糖尿病大国となっています。糖尿病看護認定看護師の役割は、糖尿病患者さんへの医学的治療の介助、患者さんとご家族へのQOL向上のためのケア、治療方法選択のための情報提供や相談、他の看護師への指導・相談となっています。糖尿病があっても自分らしく生活できるよう、療養での困りごとを一緒に考え、解決できるお手伝いができればと考えています。
スキンケアを基本として、褥瘡(床ずれ)の発生を起こさないことを目標に、褥瘡対策チームで院内回診、褥瘡処置の検討や予防対策を実施しています。また、褥瘡以外にも創傷ケア、排泄ケアに関する実践、指導を行っています。看護師以外の医療従事者からのコンサルトもあり、連携して職種横断的に活動しています。
さらに人工肛門を造設された方を対象に、退院後など継続的な援助を行うことを目的としてストーマ外来を開設しています。退院後の患者さんが、日常生活をより快適に過ごされるようにお手伝いさせていただきます。
薬(抗がん薬)を使って行うがん治療を「がん薬物療法」と言います。医療の進歩に伴い、一人一人に適した治療を行う「個別化治療」が始まりました。がん薬物療法看護認定看護師は、がん薬物療法に伴う副作用のケアだけでなく、「どの治療を選択するのか」、「治療を受けるか、受けないのか」など、患者さんとそのご家族が治療方針を選択する支援をさせていただきます。がん治療に関しての疑問や質問のある方は、ぜひご相談ください。また、外来では、がん看護相談外来を開設しています。患者さんやご家族からお話を聞かせていただき、お悩みに応じた解決策を一緒に考えます。予約制になりますので、ご希望の方は、主治医もしくは外来看護師までお知らせください。
救急看護は人・時・場所を選ばず突然の病気や事故、さらには予期せぬ災害などあらゆる場面において迅速な判断と機敏な行動が求められ、確実な救命技術で救命にあたる必要があります。それと共にショッキングなエピソードで危機状況にある患者さんやご家族の不安や苦痛を和らげるといった役割も担っています。また、患者さんに質の高い救命技術が提供できるよう、自分自身が日々努力していくのはもちろんのこと、救急の現場であるからこそ患者さんやご家族の「思い」や「願い」に寄り添って思いやりある看護が行える人材の育成を目指します。当院は輪番制2次救急医療機関ですが、脳卒中と循環器のホットライン体制が整備されています。地域の皆さんが安心して、安全な急性期救急医療を受けられるよう努めていきたいと思っています。
我が国は高齢化の一途を辿っており、それに伴い心不全を患う患者さんは増えています。心不全は良くなったり、悪くなったりを繰り返す病気であり、生活習慣とも密接なつながりがあります。慢性心不全看護認定看護師として、患者さんやそのご家族とともに心不全の再発予防を目指して、生活の調整をしたり、必要な情報提供をしたりしていきます。
当院では心臓リハビリテーションチームが活躍しており、医師や看護師、薬剤師や栄養管理士、理学療法士など様々な職種のスタッフが協働して患者さんのケアに励んでいます。看護師は患者さんの一番身近な存在として患者さんやご家族の思いに寄り添い、その人らしい生活を送れるよう支援していきます。
高齢者が入院すると体調や環境の変化をきっかけに一時的な混乱状態(せん妄)になったり、認知症の症状が悪化したりすることがあります。そのため、入院して治療を受けた高齢者が「病気は良くなったけど、もとの生活場所へ帰れなくなり、身体機能や認知機能が低下してしまった」ということも多いです。
そこで、私は認知症看護認定看護師として病気を抱えて入院となった高齢者が身体機能や認知機能を維持し、治療後には入院前の生活に戻れるように考えて活動しています。また、当院には認知症ケアサポートチームがあり、医師や薬剤師、医療ソーシャルワーカー、看護師などの多職種で認知症やせん妄の高齢者に関わっています。いつ、どんな病気で入院しても「自分らしく」生きていけるようにサポートしていきたいと考えています。もし、何かお困りのことやご相談があればお気軽にお問い合わせください。