独立行政法人国立病院機構 後期臨床研修制度の概要
目的
平成16年度より開始された新臨床研修制度ではプライマリ・ケアの基本的な診療能力を修得することが目標とされていますが、臨床医は一定の専門領域を持って医療を提供しており、2年間の卒後臨床研修終了後専門領域の基礎的な研修をおこなう必要があります。そのため国立病院機構全体として後期臨床研修制度を構築し、平成18年度からこの研修制度を開始いたしました。この研修制度では、診療科ごとに専門領域での基礎的能力を身につけるのに必要な疾患、症例数、手技を修得できる3年間ないし5年間の研修コースを設定しています。そして臨床研修制度での指導医の役割を果たせる、医療安全推進者としての役割が果たせる、診療録管理ができ診療統計が活用できる、学会発表・治験などの臨床研究活動ができる、学会等の各診療科専門医・認定医の資格が取得できるなどを到達目標としています。
研修内容
各病院では、3年から5年間を原則とする専門領域ごとの研修コースを設定し、その研修コースの中で必須・選択となる6ヶ月などの一定期間を単位としたいくつかの研修プログラムを設定し、それらを組み合わせて選択することで各研修コースを構成します。これらの専門領域毎のコースやコースを構成するプログラムは国立病院機構の審査委員会にて、コース、プログラム毎に指導責任者、募集人員、到達目標、経験すべき疾患、症例数、手技などの審査を受け認定されます。ただしコース毎のプログラムの組み合わせは後期研修医毎に作成するため、個人個人の希望をできるだけ取り入れた柔軟な研修カリキュラムとなります。当院では基本的に前半3年間、後半2年間の5年間の研修を予定していますが、たとえば循環器内科コースであれば、前半の3年間のうち、2年間を循環器内科あるいは内科ローテート、6ヶ月を心臓血管外科、6ヶ月を他の国立病院機構病院でそれぞれ研修するといったカリキュラムを後期研修医毎に組むことが可能です。また、特に後半2年間では、アメリカ退役軍人病院への海外留学や、国立がんセンターや国立循環器病センターなどのナショナルセンターへの国内留学も可能です。
医師の処遇
給与は非常勤医師(レジデント)となりますが、卒後5年を超える場合には一般の非常勤医師の待遇が可能です。また、診療科等に欠員がある場合には常勤医師として採用することも可能です。
後期臨床研修制度では、学会等の専門医・認定医などの資格あるいは受験資格を取得できることを目標としていますが、国立病院機構独自の資格認定もおこないます。前半3年間のコースを終了した医師には診療科診療医(I)、後半2年間を終了した医師には診療科診療医(Ⅱ)の資格が認定され、学位取得者と同等に評価されます。また、雇用、人事等で優遇される方針が示されています。
途中からの研修参加
国立病院機構以外の病院で後期研修をおこない途中から本制度で研修した場合も前施設での研修期間、研修内容を検討して資格の認定をおこないます。基本的には5年の後期臨床研修期間中3年間を国立病院機構で研修をおこなえば、診療科診療医(Ⅱ)の資格が認定されますので、卒後4年以内の方は研修が可能です。研修参加は随時受け付けております。処遇につきましては、診療科等に欠員がある場合には常勤医師として採用することも可能です。また、当院で専門医としてのトレーニングを受けよう、腕を磨こうと思われる方も気軽にご連絡下さい。
お問い合せ・見学希望など
当院にて研修を希望される方の病院見学を随時受け入れております。実際に病院に来て雰囲気を味わい、診療内容、仕事ぶりを見てください。見学希望日の1週間前までに下記宛先かメールにて連絡をお願いします。臨床研修に関する問い合わせも同様にお願いします。
〒514-1101 三重県久居市明神町2158-5
三重中央医療センター 事務部管理課 庶務班長 小林 隆弘
317-miechuo-kenshu@mail.hosp.go.jp
TEL 059-259-1211 内線1204
FAX 059-256-2651